待機児童緊急対策本部第2回会合 保育士の皆さんからも現場の実情聞く

 民主党は17日午後、国会内で待機児童緊急対策本部(本部長・岡田克也代表)第2回会合を開き、待機児童を持つママや保育現場の実情を知る保育士に話を聞いた。現場の実情を受け止め、検討状況等の説明を求めるため、厚生労働省、内閣官房1億総活躍推進室子ども・子育て本部の担当者にも出席を要請した。

 同本部事務局長の山尾志桜里衆院議員は、「日本全体の待機児童問題の解決につながればとの思いで、国会に足を運んでくれたことに感謝する」と赤ちゃんを連れて参加してくれたことに謝意を示し、待機児童問題で悩んでいる多くの人々の思いを、できるだけ早く問題の解決につなげていきたいと力を込めた。

 参加した母親らからは(1)4月時点で子どもは5カ月で育休も残っているが1歳になるまで待つと預け先が見つからなくなる可能性が高いので、入園を決めざるをえなかかった。生まれ月によって保育園への入りやすさに大きな差があるのは不公平(2)保護者がどれだけ保育園を必要としているかの判断基準となる調整指数を上げるため、とりあえず認証保育園に入れて指数を上げて認可保育園を探すという人が多い(3)子どもを生む前はいわゆるキャリアウーマンとして働いてきたので、保育園が見つからずに職場復帰できなければ会社としても経済的な損失になる(4)東京の湾岸エリアに住んでいるが、1500世帯入るタワーマンションが完成予定で、そうなると保育園の入園はますます厳しくなる(5)時短や育休制度を整備するなど企業側も前向きに取り組んでいるが、保育園不足のために子育て中の親が職場復帰できないとなれば企業としてはロスだということになりかねない(6)第1子で保育園探しに苦労すると第2子はあきらめるという人も出てくる(7)保育士不足解消のために保育士配置の基準を緩和するという報道を見たが、子どもの命を預ける観点からは疑問に感じる。質の確保と保育士の絶対数を増やして問題を解決していくことを求める(8)事業所内保育所にはその事業所に通勤する片方の親だけに保育園送迎の比重が重くなる傾向があり、父母がともに育てるという観点で疑問だ――といった声があった。

 保育士からは(1)生まれてくる前から保育園探しに来る人が多く、中には子どもができる前、子作り計画の段階から見に来る人もいるような状況がある(2)保育士を増やさないとやっていけない保育園が多い。保育士というのは未来の担い手を育む専門職であるから給与面の改善も重要(3)保育士不足解消のためか筆記試験だけで保育士を雇うケースも見られるが、質の確保は重要。単に数を増やすというやり方はおかしい(4)保育園情報の共有や地域の連携があればいいと思う――などの指摘があった。

 質疑応答のなかでは、政府が保育施設拡充を表明していることに関連して、「受け皿を拡充すると保育士はより不足する」と当然の指摘があり、ハコモノの前に保育士増が求めらることがあらためて確認された。また、タワーマンションが近くに建設予定だと発言した母親は「1500世帯も入るマンションであるのならば、計画段階から1階には保育園をつくる」といったことを行政として義務付けるべきだと問題提起。行政は住民の転出転入のデータ等も把握しているのだから、こうした動向に合うように都市計画や保育園整備計画を確立し、マンション開発事業者などに対して罰則規定も設けるべきだと訴えた。

 山尾議員は、この提案に対して、「言われてみれば、確かに小・中学校には待機児童はいない」と述べ、実態把握に基づいた整備が重要との考えを示した。