民主党北海道主催「女性のための政治講座キックオフ・セミナー」

 蓮舫代表代行は19日午後、札幌市を訪れ、党北海道連が開催した女性のための政治講座キックオフ・セミナー「生きる!輝く!繋ぐ! 女性の視点で地域を元気にしよう」で基調講演を行った。

党道連男女平等参画委員長の徳永エリ参院議員

党道連男女平等参画委員長の徳永エリ参院議員

 セミナーではまず、道連男女平等参画委員長の徳永エリ参院議員が、政治には「生活に根差した女性の視点」が大切だとして、民法の夫婦同姓規定を合憲とする最高裁判決や男女平等参画に関する道連の取り組みなどに触れ、「女性の政治家を増やし、ジェンダーフリーの社会を目指していきたい」とあいさつした。

 続いて登壇した蓮舫代表代行は、年末の多忙な時期に多くの人々が参加してくれたことに感謝の言葉を述べた上で、この夏の安保関連法案の審議などについて「こんなに頭に来ることはない。私たちは数が足りない。こんなに小さくなってしまった政党であることを心の底からふがいないと思った。だからもう一度、皆さんの声をもらいたい。しっかりと皆さんの声を拾って受け止めて、きちんと打ち返せる政党になりたい」と述べた。

基調講演をする蓮舫代表代行

基調講演をする蓮舫代表代行

 いまの日本が直面する政治課題は人口減少だとして、「毎年24万人もの人口が減り、子どもの少ないこの国がどのような未来を描けるのか。この国を変えなければいけない。安倍さんは間違ってはいなかった。『輝く女性』『地方創生』――これから先の日本にはこの二つしかない。でも、輝く女性は1年で放り出してしまった。地方創生も各省の寄せ集め、もう官僚機構に新しい斬新な、地域が本当によみがえるような知恵はなく、限界にきている」「華やかさやド派手さ、額の大きさやインパクトはなくても、本当にやるべきところにお金を回すのが政治の仕事だ。皆さんが収めてくれた税金を何に使うかが政治であり、どこに使って何をなくすと説明するのが政治であって、ばらまくのは政治ではない」「新3本の矢というが、600兆円はいいとしても、出生率1.8と介護離職ゼロ、これは『的』であって『矢』ではない。出生率を1.8にするために何をやるか、介護離職ゼロのために何をするのかが政策なのに、それが言えないから矢と的をわざと混同しているとしか思えない」と安倍政権の手法を批判。「つらいニュースがなくなることが政治だ。政治は声の大きな、力の大きな人たちだけのものではない。民主党は1億人より1人を幸せにする。あらためて私たちはそのことを伝えたい」と訴えた。

 その上で、「多くのことをやるのは難しい時代、多様性の時代になった。仲間がもっとほしい。北海道は日本の中でも極めて優秀な女性議員の多い地域であり、多くの方たちが民主党の女性議員を支えて下さっている。それでも2割に満たないので、せめて3割に増やしたい。『女性の政治塾、なんか勉強して難しそう』。でもそんなことはない。自分はこのお金があったら何に使うのか、政治はこの繰り返しだ」「難しいのは法律用語だけで、それを分かりやすい言葉にする、伝えるために言葉を平たくするのが政治家の力だ。本当に仕事をする女性を増やしていきたい。若い人も人生の先輩も、全ての世代を代弁する人に手を上げてほしいと思っている。それが分厚い、皆さま方の声を代弁する議員になる。そして男性の皆さんにお願いしたいのは、自分の恋人や奥様が政治をやりたいと言ったときに止めないでほしい。候補者を擁立するときに一番難しいのは結婚している世帯、夫や夫の両親の説得がもれなく付いてくる。ここを説得できるようになったら、ずいぶん力強くなる。そこを乗り越えたらあとは何とかなる。誰かが頑張って壊したものを次の世代のために道を広げる、道を広げたら整備してほしい。整備して足りなかったら迂回ルートを作って、迂回ルートが渋滞したら高速道路を作っていく。政治を新しい仕事の選択肢としてほしい」とエールを送った。

 会場との意見交換では、教育ローンの問題について現場の関係者や学生から切実な提起があったほか、選択的夫婦別姓制度導入、非正規雇用などについて多岐にわたって質問が出され、蓮舫代表代行は、それらを受け止めて、ともに取り組んでいく決意をあらためて表明した。

特別講演をする大沢真理東京大学社会科学研究所教授

特別講演をする大沢真理東京大学社会科学研究所教授

 その後、「日本女性の社会進出について」と題して、大沢真理東京大学社会科学研究所教授が特別講演を行った。「日本社会の問題は『輝く』『活躍』以前に、かなり『生きにくい』社会」だとして、豊富なデータを基にその要因を説明、「日本の最大の問題は、政府による所得の再分配がかえって貧困を高めている」ことであり、「社会全体の質を高めるためには、貧困の連鎖を断ち切ることが大事で、まず政治の問題を解消しなければならない」と述べた。その後の質疑では、軽減税率について「学者に限らず、およそ税制についてなんらかの見識を持っている人の99%以上は、軽減税率というのは目的を達成するためには効率の低い政策手段だと回答すると思う」として「ザルで水をすくうような制度だ」と切って捨てた。また、周囲の人に社会の問題に気付いてもらうためにはどうすればいいかと問われて、「老後にどのくらい費用がかかるかということは、ほとんどの人が気付いている。そんな心配しなくても生きていけるためにどうすればいいか。高齢者だけの問題ではなくて、若い時から税金や社会保険料を払える人を増やしていく。誰もがまともに働いたらまともに給料が得られて税と社会保険料を払えるようにし、低所得者にばかり重い負担を負わせている仕組みを直した上で、介護や医療にかかる費用を社会化していくことができれば、老後に大きな不安を感じなくて済む。老後に安心してお金を使ってくれればもっと経済は回る。つまり、社会保障は投資であって単なる支出ではないということを、身の回りの方と話してみてはどうか」と呼びかけた。

 セミナー終了後、来年4月に実施される衆院北海道5区の補欠選挙に立候補を表明した池田真紀さんより「女性が政治に出るのは大変だが、小さな声を大事にして、声なき声を届けていきたい」と決意表明があった。

衆院北海道5区補選に出馬を表明した池田真紀さん

衆院北海道5区補選に出馬を表明した池田真紀さん