民主党は28日国会内で、女性のための政治スクール・キックオフセミナー「立とう!女性たち!」を開催した。

岡田代表

 あいさつに立った岡田克也代表は、安保法案の審議中、多くの若者や女性がデモに参加し、声を上げたことについて「日本の新しい民主主義の始まりかもしれない。安倍内閣に歯止めををかけていくのは民主党の役割であると同時に、女性の力だと思う。(女性議員を増やすことで)民主党が変わり日本の政治が変わる」と述べ、2020年に女性議員比率30%を実現するために多くの女性候補者を擁立する考えであること、そのために政治スクールを通じて政治に関心を持つ女性が増えることへの期待を表明し、各県連に政治スクール開催を要請した。

浜矩子教授

 同志社大学大学院教授の浜矩子氏が「女性たちにエールを送る」として基調講演を行った。浜教授は活躍した女性のモデルとして、エリザベス女王1世、ビクトリア女王、エリザベス女王2世、サッチャー元首相という英国に君臨した4人の女性を挙げ、彼女らに共通する要素は英国人のルーツである「海賊」が持つ「度胸と愛嬌の絶妙ブレンド」だと解説。また、フットワークが軽く、適応力が高く、タフな女性は「世界に冠たる貿易財だ」とたたえ、「立て、日本の‘‘海賊”女子たち!片手に愛嬌、片手に度胸、目には人のために泣く涙。皆さんの大いなる健闘を祈る」とエールを送った。

大沢真理教授

 これを受けて東京大学教授の大沢真理氏がコメントし、「『世界に冠たる貿易財』と言われて喜んでばかりはいられない。留学する学生は女子のほうが多い。その背景には『日本では報われない』という思いがあるのでは」と指摘。他方、若い女性の定着率の高い地域とは、(1)1人当たりの住民所得が高く(2)議員や官民管理職の女性比率が高く(3)男女の賃金格差が小さく(4)女性の専門職が多い――地域だと解説し、「自分の自治体を消滅させたくなければ、まずは女性議員や女性管理職を増やすことに取り組むべき」と強調した。

 引き続き行われたパネルディスカッションでは、上智大学教授の三浦まり氏、女性と人権全国ネットワーク共同代表の近藤恵子氏、連合副事務局長の高橋睦子氏、枝野幸男幹事長がパネリストとして登壇。三浦氏は、日本が国際的に比較して女性議員の比率が極めて低い状況にあり、これを改善するには「パリテ(議員の男女比が同数となるような仕組みの導入)しかない」と主張し、民主党が主導的な役割を果たすことへの期待を表明した。近藤氏はDV防止法制定時の経験を踏まえ「当事者こそが政治的主体である」との思いから女性の関心事に当事者性をもって向き合える女性議員が必要と訴えた。高橋氏は労働の場での女性の置かれている現状をデータを基に説明した。こうした女性パネリストの解説・提案を踏まえ、枝野幹事長には「民主党はどこまで本気なのか」「具体的には女性議員をどう増やすのか」などの問いが向けられ、枝野幹事長は「多様な民意を政治に反映するために女性議員を増やしたほうがいいというのはわが党では自然なことで、かなり本気だ。そのための条件整備が必要だ」などと応じ、候補者擁立に向けた関係団体や地方組織への働きかけ、議員立法の取り組み、政治スクールへの期待――などを語った。

 セミナーには100人を超える参加者が集まり、中には熱心な男性の姿もあった。2時間半という長時間でありながら講師やパネリストの発言に大いに盛り上がり、党男女共同参画推進本部長の神本美恵子参院議員があいさつに立って閉会した。進行は同本部事務総長の郡和子衆院議員が務めた。

パネルディスカッション