【衆院本会議】女性の活躍を阻害する法制度、敢行、意識の是正求める 郡議員

 衆院で31日午後、政府提出の「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」が審議入りした。衆院本会議で民主党から郡和子議員が質問に立ち、(1)法案の実効性(2)男女の賃金格差解消への対応(3)「家族を構成する男女」とする規定(4)女性の活躍促進と労働者派遣法改正案の関係――の問題を取り上げ、有村担当大臣、塩崎厚生労働大臣に質問した。同法案は、従業員が300人を超える企業・団体に対し、採用者や管理職に占める女性の割合、男女による労働時間や勤続年数の差などを将来的にどれだけ改善するか、最低でも1項目を選び、企業ごとの女性登用のための独自の数値目標設定と行動計画を明記するよう義務づけるもの。国や地方自治体にも同様の義務を課す。

 郡議員は「民主党は、これまで一貫して、シングルマザー、介護や育児と仕事との両立に奮闘している女性など、あらゆる女性の活躍を支援し、男女を問わずワークライフバランスを保ち、人が人らしく生活できる男女共同参画社会の実現を目指し真摯(しんし)に考え実行してきた」と表明。この観点から同法案についてまず、安倍総理が声高に掲げていた「2020年に指導的地位に占める女性の割合30%」に言及がなく「空っぽの法案」だと批判。目標達成については国と地方公共団体には努力義務が課されているものの、民間には言及がないとして、本気で女性の活躍を推進したいと考えるのであれば、一般事業主にも行動計画の目標達成の努力義務を課すべきだと主張した。

 非正規労働者の7割が女性、男女の賃金格差は約10対7という現実にある男女間、非正規・正規雇用間の賃金格差の解消なくして女性の活躍はあり得ないとも指摘。こうした現状に対し「低賃金で活躍」にならないためにどのような手当てがされているのかをただした。

 これに対し塩崎厚生労働大臣は、一般労働者の男女間賃金格差の最も大きな原因である管理職に占める女性割合や勤続年数の男女差について状況把握、分析を行い、課題解決に向けた目標や取り組みを盛り込んだ行動計画の策定を求めているとして、「これらの枠組みを通じて女性の活躍推進を加速させることにより男女労働者間の賃金格差の縮小につなげていく」「行動計画策定指針でも非正規雇用から正規雇用への転換に関する取り組み等について盛り込む方向で考えている」などと答えるにとどまり、何ら具体策は示されなかった。

質問に立つ郡和子議員

質問に立つ郡和子議員

 労働者派遣法改正案との関係では、政府は正社員になりたくてもなれない女性を増やす改正を進めているとして、「輝く女性」と全く整合性がとれないと指摘。「口ではきれいごとをいいながら、実際には女性をおとしめる政策を進めているのではないか」と迫ったが、塩崎大臣は「派遣労働という働き方にはキャリア形成等の面で課題があることから今回の改正案では派遣会社に対し計画的な教育訓練を義務付けるとともに、均衡待遇に関する責務を強化する等派遣労働者の雇用の安定や処遇の改善を図るための新たな仕組みを設けることとしている。改正等を通じて非正規雇用を選択している女性も含めすべての女性が輝く社会づくりを進めていく」と空疎な答弁に終始した。

 郡議員は最後に、「ワークライフバランスを保ち、男女共同参画社会が実現し、女性の活躍を阻害するあらゆる法制度、慣行、意識が是正されていくよう強く求める」と述べ、質問を締めくくった。

 法案への質問に先立ち、郡議員は、安倍総理が高らかに宣言した「女性が輝く社会」の象徴として内閣改造で起用された5人の女性閣僚について、「政治とカネ」の問題、公職選挙法違反の疑いで辞任した小渕経済産業大臣と松島法務大臣はもとより、ヘイトスピーチを行う在特会との親密な関係を取り沙汰されている山谷国家公安委員長、ネオナチ団体代表との関係が海外メディアで報道され物議をかもした高市総務大臣、脱税企業から献金を受けていたことが判明した有村女性活躍担当大臣らの資質をあらためて問題視。稲田政調会長や片山参院外交防衛委員長の問題にも触れ、「安倍政権の女性議員の『活躍ぶり」は枚挙にいとまがない」「『女性が活躍する社会』を売り物にする安倍総理の金看板はメッキがはげてしまった」と指弾し、信頼回復を図るよう厳正、適切な対応を求めた。