3党協議を経てまとまった社会保障と税の一体改革関連法案「子ども・子育て支援法案」「認定こども園法改正案」等の審議が進んでいる。改正案提出者の泉健太衆院議員に、一体改革で目指す子ども政策について聞いた。(聞き手=高橋昭一広報総括副委員長)
泉 健太 衆院議員 衆院京都3区3期、党子ども・男女共同参画調査会事務局長。野党時代から一貫して子ども・子育て支援の環境整備に取り組んできた。

泉 健太 衆院議員 衆院京都3区3期 党子ども・男女共同参画調査会事務局長。野党時代から一貫して子ども・子育て支援の環境整備に取り組んできた。

民主党が一貫して目指してきた「子ども第一」の視点

高橋 民主党が目指してきた子ども・子育て支援とは?

 政権交代前から子ども第一に考えようということで「チルドレンファースト」の理念を掲げ、子どもの視点に立って少子化対策、子育て支援に重点的に取り組んできました。政権交代前は約1・6兆円だった子ども関連予算は、今年度でほぼ倍増の3・2兆円まで増え、政権交代直後に作成した「子ども・子育てビジョン」で待機児童対策として年間5万人ずつ保育定員を増やす計画を立て、1年間で保育所は300カ所以上増えました。

 日本の現状を見ると、都市では待機児童の問題があり、地方では子どもの数が減り共に学び合う環境が整わないという問題を抱えています。こうした問題の解消に向け、幼稚園と保育所の機能や整備計画がばらばらな現状を変え、機能や整備計画を一体化することを目指してきました。

 そのときの立ち位置も「子どもの視点」。親が仕事に就いているかどうかで子どもの居場所が変わることがないようにしたい。可能な限り安定的な環境で生活できるようにしたい。そう考えたとき施設の一体化の必要性が浮き彫りになりました。また、共働き世帯はもちろん、孤立しがちな専業主婦の子育て家庭も支えるのが時代のニーズに沿った子育て支援の姿です。

 少子化へと進むなかにあっては、大きな施設づくりだけが保育の拡充につながるのではありません。空物件など様々な施設を有効利用することでできる地域の小規模保育は大きな意味があります。実は待機児童解消のカギはこの小規模保育の展開にかかっているとも言われています。そうしたきめ細やかで柔軟な制度を目指してきました。

認定こども園制度による時代に即した環境整備

高橋 3党協議を経て、認定こども園法改正案が衆院で可決し、参院でも審議が進んでいます。

 今国会に向けて民主党は「総合こども園」制度を立案していました。

 与野党協議を通じて、現行の認定こども園制度を改正することで、民主党が主張してきた総合こども園制度が目指す完全なる一体化施設をつくれるのではないかとの話になり、民主党は(1)子育て関連予算の7千億円上積み(2)幼稚園と保育所の機能を重ね合わせた一体的な施設の整備(3)待機児童対策の中核である小規模保育の展開(4)地域子育て拠点への公費支援――等の中身が重要だと考えていましたので自民、公明両党との協議で名称にこだわるのではなく実を取ることにいたしました。

 特に大幅な公費投入が実現したことで改革に大きな一歩を踏み出せたと思っています。マニフェストとも十分に整合性がとれた合意だったと考えています。

高橋 協議を重ねたことでより進んだわけですね。

 幼稚園が文部科学省、保育所が厚生労働省と所管が分かれ、事務手続きも分かれていたことが一体化が進まなかった要因でしたが、今回は二重行政を解消するため、認定こども園の所管を内閣府にまとめ、認可や給付金の流れも一本化します。

 民主党は「すべての子どもたちに教育と保育を」という考え方に立ってきましたので、認定こども園の制度のなかに総合こども園制度の理念・仕組みが導入されることによって、教育も保育もしっかり受けられる状態に持ち込めたと思っております。

高橋 子ども・子育て政策の拡充は雇用の拡大にもつながりますね。

 そうです。保育や幼児教育の環境がしっかりと整備され利用が進めば、幼稚園や保育所など受け入れ側の雇用が増え、同時に子どもを預ける場が整備されれば女性は社会に進出しやすくなって雇用の拡大につながります。政府の成長戦略ではこの分野で16万人分の雇用拡大を想定しています。

 妊娠や出産による退職や復職難が存在することによって子どもを産むのを控えるといった本末転倒といえる事態は何としても避けなければなりません。出産や子育てが社会参加の障壁になってはいけないと民主党はかねてから訴えてきました。子ども・子育て政策の拡充により子育てと社会参加の両立が可能な社会となるよう、そして少子化の歯止めともなるようにしたい。「子ども第一」の考えのもと、今後も子ども・子育て支援に力を入れていきます。

「子ども・子育て支援法案」「認定こども園法改正案」等について泉健太衆院議員に高橋昭一広報総括副委員長が聞いた。

「子ども・子育て支援法案」「認定こども園法改正案」について泉衆院議員に高橋広報総括副委員長が聞いた。

(プレス民主8月3日号より)